北海道大学工学部安全教育
教材
専門共通 編
製作:北海道大学工学部安全衛生管理室
平成平成1717年年22月月
項目
・換気
・地震
・高圧ガス
・放射線
・廃棄物(廃液)
換気について
換気の目的と必要回数
目的目的
・酸欠防止・酸欠防止
・一酸化炭素中毒の防止・一酸化炭素中毒の防止
・除塵・除塵
・室温調整・室温調整
・脱臭・脱臭
・除湿・除湿
留意点
・換気用の小窓や吸排気口
を締め切ったり、家具など
でふさがない
・排気口と同時に吸気口を
確保する
・換気扇を設置する
・人間1人の1時間あたり必要な空気量:20~30 m3
・100 m2の部屋に4人いる場合、2時間に1回空気の完全入替え必要
・暖房器具使用時には、1時間に1回空気の完全入替え必要
換気の目安
酸素欠乏症
酸素濃度と症状
18%:安全の限界
16%
頻呼吸、頻脈、頭痛、吐き気
集中力低下
12%
めまい、意識混濁、全身脱力
10%
顔面蒼白、嘔吐、昏睡
呼吸停止、6~8分で心停止
※酸欠になりやすい
場所・理由
・有毒ガスの発生場所
・不活性ガスのある場所
・鉄分など酸素を吸収
する物質がある場所
・火気を使う場所
・高気密・閉鎖型の部屋
例:井戸、たて坑
ピット、タンク内
暗室、倉庫、車庫
予防
・換気対策を十分にとる ・呼吸用保護具の着用
・酸素濃度計の設置
一酸化炭素中毒の原因と症状
一酸化炭素の発生一酸化炭素の発生
屋内等通気の不十分な場所 屋内等通気の不十分な場所
での火気を使う作業 での火気を使う作業
例:暖房器具、練炭コンロ、給湯 例:暖房器具、練炭コンロ、給湯
設備、内燃機関等 設備、内燃機関等
一酸化炭素の流出一酸化炭素の流出
都市ガス等一酸化炭素を含む 都市ガス等一酸化炭素を含む
ガスの流出 ガスの流出
原 因 症 状
一酸化炭素ヘモグロビ
ンを形成するため、体中
の酸素欠乏症を引き起
こす
頭痛、息切、めま
い、意識混濁、昏
睡、死亡
対 策
・換気を十分に行うこと
・器具・用具の点検整備を行い、不完全燃焼を防ぐこと
・呼吸用保護具を用意すること(特に、救助者は着用のこと)
・給気口を確保すること(部屋の負圧による逆流の防止)
酸欠・一酸化炭素中毒予防チェック項目
1.酸素濃度測定
2.換気設備の能力・設置場所
3.注意事項の表示
4.暖房・ガス器具の点検・整備
5.避難用具、呼吸用保護具の設置
地震について
地震に対する心構え
激震の中では人は何もできない!!
地震は広い範囲で同時に起こる!!
→ 日頃からの備えが必要
地震が起きたらどのように行動すべきか地震が起きたらどのように行動すべきか
事前の対策は十分か(ハード面,ソフト面)事前の対策は十分か(ハード面,ソフト面)
地震が起きた場合
窓や戸を開けて出口を開放窓や戸を開けて出口を開放
開かない場合は扉を蹴破る,窓ガラスを割る開かない場合は扉を蹴破る,窓ガラスを割る
火の始末,すぐに消す火の始末,すぐに消す
「火を消せ」と声を掛け合う「火を消せ」と声を掛け合う
身を守る身を守る
上着等で頭を覆い、状況によっては机の下などに潜り、机の脚をしっか上着等で頭を覆い、状況によっては机の下などに潜り、机の脚をしっか
り握るり握る
避難の前に安全確認避難の前に安全確認
ガスの元栓,ブレーカーなどガスの元栓,ブレーカーなど
助け合い応急救護助け合い応急救護
研究室内,隣接した研究室研究室内,隣接した研究室
揺れがおさまってから指定の避難場所へ移動揺れがおさまってから指定の避難場所へ移動
ガラスの破片,落下物に気をつけるガラスの破片,落下物に気をつける
事前の準備(ハード面)
建物の耐震補強建物の耐震補強
建物の老朽化,専門家による建物の老朽化,専門家による耐震診断耐震診断
研究室内の危険箇所点検研究室内の危険箇所点検
避難通路避難通路は確保されているか(出入り口・通路を塞ぐ可能性のある家具は確保されているか(出入り口・通路を塞ぐ可能性のある家具
等は撤去)等は撤去)
机の下,棚の上机の下,棚の上に物品が置かれてないかに物品が置かれてないか
装置・機器類装置・機器類の滑り落ち対策は万全か(固定あるいはゴム敷きなど)の滑り落ち対策は万全か(固定あるいはゴム敷きなど)
窓ガラス窓ガラス等の破損に対する対策は万全か(落下防止用フィルムの貼附)等の破損に対する対策は万全か(落下防止用フィルムの貼附)
ロッカー,機器類ロッカー,機器類の転倒防止策は万全か(壁への固定)の転倒防止策は万全か(壁への固定)
ビーカー等のビーカー等の割れ物割れ物の保管方法は万全かの保管方法は万全か
薬品管理薬品管理は十分か(コンテナーに分別保管、引火性・可燃性薬品は棚は十分か(コンテナーに分別保管、引火性・可燃性薬品は棚
の下部へ)の下部へ)
火事火事を出さない対策は十分か(電気機器類,ガス,薬品)を出さない対策は十分か(電気機器類,ガス,薬品)
避難経路の周知,掲示避難経路の周知,掲示
事前の準備(ソフト面)
震災時の震災時の行動規準行動規準の作成の作成
消火器,ヘルメットなどの消火器,ヘルメットなどの防災用品防災用品の用意および設の用意および設
置場所の確認置場所の確認
研究室内,隣接研究室との研究室内,隣接研究室との協力体制協力体制の確認の確認
防災訓練防災訓練の実施の実施
地域と連携した地域と連携した防災対策防災対策
地震対策マニュアルの作成
ママニュアルは複雑でなくニュアルは複雑でなく簡潔簡潔で誰もが即座に理解できることで誰もが即座に理解できること
細かな指示で行動をしばらず、被害状況に応じてより適切な対応策が細かな指示で行動をしばらず、被害状況に応じてより適切な対応策が
実行できるよう実行できるよう役割とポイント役割とポイント程度を表記する。程度を表記する。
責任者は一人に限定せず責任者は一人に限定せず代行者代行者を定めておく。を定めておく。
教職員・学生教職員・学生の行動基準、現場での対策、の行動基準、現場での対策、対策本部の対策本部の3層マニュアル3層マニュアル
をを構築する。構築する。
発生直後の混乱時には、発生直後の混乱時には、その場にいる人員のみで緊急対応その場にいる人員のみで緊急対応しなけれしなけれ
ばならない。事業所の責任者は、直後の緊急対応活動の判断と活動のばならない。事業所の責任者は、直後の緊急対応活動の判断と活動の
権限を現場に委譲する。権限を現場に委譲する。
事業所責任者との事業所責任者との緊急連絡緊急連絡体制体制を確保するを確保する。。
北海道大学工学部安全教育資料
学生実験編
製作 北海道大学工学部安全衛生管理室
内 容
1.共通注意事項
2.実験機器類の正しい使い方
3.化学実験
4.微生物実験
5.機械実験
共通注意事項
学生実験安全対策
北海道大学工学部
はじめに
実験は危険を伴うものである。どんな小さな
実験にも油断をしてはならない。事故は、その物
的や肉体的な被害と同様に精神的な打撃が大
きい。自分を傷つけ、他人まで巻き込むことを考
えると、事故を起こさないためのどんな努力も怠
ってはならない。
「実験を安全に行うために」 化学同人 序文より引用
学生教育研究災害傷害保険への加入
•実験中の不慮の事故に備えて必ず加入する。
•加入したことが不明の場合は必ず確認する。
(学部卒業時に切れるので、
大学院等に進学する場合、再加入の必要)
担当窓口は,北大学生支援課厚生係または工学部教務課
一般的注意事項
実験をよく理解する
実実験験のの内内容容をを十十分分理理解解していなくてはならず、装置の使
用法の誤り、取り扱い上の不注意によって被害の生じない
よう十分な準備が必要である。
実験をする前に周到な準備をする
まず健康であること。前日に徹夜したり風邪薬で眠気を
催したりしていると、不注意による災害を招きやすい。また、
実験開始時間ぎりぎりに慌てて来るのではなく、余裕を持
って準備すること。
実験中の飲食,喫煙は厳禁である。実験室
には飲み物,食べ物を持ち込まない。
実験中の飲食、喫煙の禁止
試験室内の整理整頓
整頓されている実験室では、実験する者に精神的安定
感が生まれる。鞄鞄、、傘傘、、衣衣類類ななどどははロロッッカカーーにに片片付付けけてて,,不不
必必要要ななももののはは実実験験室室にに持持ちち込込ままなないい。常に通通路路、、消消火火器器
等のまえには物を置かない等のまえには物を置かないようこころがける。
整理整頓
通路に鞄、実験試料などを置かない 消火器の前に物を置かない
ゴミの廃棄
焼却ゴミ、燃えないゴミ、ガラス類、金
属類などの分分別別を必ず行う。ただし、ここのの
ゴゴミミ箱箱ににはは、、実実験験試試薬薬、、実実験験試試料料をを決決ししてて
捨ててはならない捨ててはならない。
ごみの分別
実験中に怪我などをした場合
実験手順、担当教員の指示を無視した実験は事故のも
とである。実実験験手手順順、実実験験すすべべきき項項目目等、実験の指導者に
従うこと。 もし、怪我をした時は、あわてずに状況を的確に
判断し、適切な応急処置をおこなう。薬品が直接肌に触れ
たり、目に入った場合は、直ちに流流水水でで洗洗浄浄する。ひどい場
合は病院へ行く。
最後に
安全の心構えを持つ
研究者は常に新しいことに立ち向かうため、予予測測ししええ
なないい危危険険がそこに潜んでいることも避けがたい事実で
ある。思いがけぬ場所、思いがけぬ原因により災害は
発生するが、個個々々のの人人間間がが日日々々安安全全にに気気をを配配っってて行行動動
することにより、事故のリスクを軽減する事ができる。
安全対策には「「ここここままででややれればば絶絶対対安安全全」」というもの
は存在しない。従って、実実験験のの危危険険度度をを推推測測ししてて対対策策をを
立立てて、常に安全防災に気を配らねばならない。今回の
ガイダンスで紹介した安全対策は、そのほんの一部で
ある。みなさん一人ひとりもう一度、安全対策に
ついて考え直してみてください。
北海道大学工学部
安全教育教材
製作:北海道大学工学部安全衛生管理室
電気編電気編
はじめに
電気の誤った取り扱いは
感電、漏電事故、火災を引き起こしかねない。
よって電気の基礎知識、使用ルールなどの、
事がらを正しく理解すべきである。
ここでは
電気災害とその防止法
安全使用のための基礎知識
について、その概要を述べる。
感電、漏電事故、火災
電気の基礎知識、使用ルール
電気災害とその防止法
安全使用のための基礎知識
感電(1)
人体への影響(人体への影響(電流電流と危険度)と危険度)
電流値電流値 人体への影響人体への影響
1mA 1mA ビリッと感じるビリッと感じる
5mA 5mA かなりの苦痛かなりの苦痛
10mA 10mA 耐え難い苦痛耐え難い苦痛
20mA 20mA 筋肉の痙攣と神経まひ、筋肉の痙攣と神経まひ、
離脱不能離脱不能
50mA 50mA 呼吸困難、相当危険呼吸困難、相当危険
100mA100mA 心臓障害、呼吸停止心臓障害、呼吸停止
・電撃傷
電流が生体を
流れてできる熱傷
• ショック
心臓に電流が
流れて、心室細動、
心停止
感電(2)
人体への影響
(電圧と
危険度)
電圧値電圧値 人体への影響人体への影響
10V 10V 全身が水中にあると危険全身が水中にあると危険
20V 20V 濡れた手で安全な限界濡れた手で安全な限界
30V 30V 乾いた手で安全な限界乾いた手で安全な限界
50V 50V 生命に危険のない限界生命に危険のない限界
100 ~ 100 ~
200V 200V 危険度が急激に増大危険度が急激に増大
200V200V以上以上 生命に危険生命に危険
~ 3000V~ 3000V 荷電部に引きつけられる荷電部に引きつけられる
11万万 V V はねとばされ、稀に助かはねとばされ、稀に助か
ることがあるることがある
感電防止のための注意点(1)
100Vの電線に手が触れた
濡れた手で電気器具に触れない
濡れた皮膚
約22mA
自力での離脱不能
(アウトの確率大)
皮膚の乾燥時
約13mAの電流
(セーフの確率大)
感電防止のための注意点(2)
破損して通電部分
の露出した
・プラグ
・テーブルタップ
破損した配線部品は新品に
古くなりひびの
入ったケーブル
速やかに交換
破損した
・ナイフスイッチ
感電防止のための注意点(3)
コードコネクタやテーブルタップを床に置かない
命にかかわ
る感電事故
水漏れ
床に水が
たまる
ひび割れ等
漏電の元
足で踏む
コードが
痛む
足に引っ掛けると危険
感電防止のための注意点(4)
電気機器のアースを完全にする
水の近くで使用する機器水の近くで使用する機器
本体が金属の機器本体が金属の機器
⇒⇒ 特に重要 特に重要
アース付の装置でもアース付の装置でも
途中で接地が途切れ 途中で接地が途切れ
ている場合がある ている場合がある
感電防止のための注意点(5)
実験室のナイフスイッチにもちょっとした工夫
接
点
が
む
き
出
し
感
電
・
埃
が
溜
ま
る
これは市販のナイフスイッチ
何が問題でしょう ?
応
急
処
置
だ
が
,
無
い
よ
り
ま
し
感電防止のための注意点(6)
接触しなくても放電に
よって感電する危険
高電圧、大電流実験は
なるべく2人以上で
では30cm以上
50 kVでは1m以上
ガイスラー真空計
ネオントランス
カバーをつける
高圧部分には
近づかない
感電防止のための注意点(7)
装置を分解する際
装置内のコンデンサ
の放電
↓
時間経過して回路に
触れる
必ず
・元ブレーカをオフ
・または プラグを抜く
感電防止のための注意点(8)
装置分解後の組み立て,装置作製時の注意点
電源ケーブルにはホットラインとコールドラインがある
ホットライン:例えば100Vが印加
コールドライン:アースに接続
電源スイッチにはホットラインの
みを切断するタイプの物もある
つなぎ間違えると感電の恐れ
感電事故への対応
電源を切り、感電源から引き離す
電気を止められない場合:
感電しないように絶縁体(乾いた棒、ゴム
手袋、等)を介して感電源から引き離す
すばやい対応が人命を救う
人工呼吸、心臓マッサージ ⇔ 救急車
ただし無理をしないこと.あなたが感電する
数分間の対応が生死を分ける
漏電(1)
電気機器や設備は、古くなると次第に
絶縁性が低下し、漏電するようになる
定期的に電気機器,設備の点検を
また機器内部のほこりや湿気に
よっても漏電することもある
ほこりがたまると機器内部での放熱効率
が低下し,電子部品が破損する
(修理の費用・時間はバカにならない)
漏電(2)
ほこりのたまりにくいテーブルタップやプラグが安
価で市販されている。これらの利用も一考
ちょっとした工夫と費用で
漏電により、火災や感電事故が起こりやすくなる
過熱(1)
蛸足配線は ...
プラグが過熱
して危険
↓
多少の費用
をかけても
電源工事
過熱(2)
コードリールは便利だが,要注意
巻いたまま使用:
許容電流が小さくなる
知らずに利用→異常過熱
ケーブル被覆が溶け出火
(例)全伸長:15A,巻いたとき:5A
(要,説明書の確認)
延長コードを途中で束ねて使用
すると 同じこと
過熱(3)
消費電力を考慮した配線を
装置には必ず定格電圧,定
格消費電力が記載してある
種々の電源ケーブルが
ある.目的の違い認識
「安全の手引き」(北海
道大学安全・防災委員
会)に詳細が記載され
ている.参考にすること
電気火災への対応
電気火災
北大には全ての火災
に適する粉末消火器
が設置されている
• 消火器
• 燃えやすい物を近くに置かない
• ごみ・埃を溜めない
• 装置の定期的点検
• 定格電力を守った配線
それでも火災になったら
• 電源を遮断 → 消火
• 通電状態で消火の場合
→ 水はダメ
(粉末消火器,炭酸ガス消火器)
配線に関する一般事項
いわずもがなですが,その他の事項
定格出力に適合したフューズ,
ブレーカーを用いる
キャブタイヤケーブルを用い,
また板・塩ビ等で保護する
1A
30A
60A
おわりに
参考文献参考文献
北海道大学安全・防災委員会:平成北海道大学安全・防災委員会:平成1616年度安全の手引き年度安全の手引き pp. pp.
35 – 40 (2004)35 – 40 (2004)
• 電力の利用は便利であり,これなくして我々
の生活・研究は成り立たない.
• しかし逆に100Vの商用電源ですら,我々の
生命を奪い,火災を発生させうる.
• 安全に留意した実験室の環境作りを心がけ,
同時に各人が電気利用の基本を熟知しな
ければならない.